3月4日に第2回目となる「Device2Cloudコンテスト」という大会が開催されました。会場は品川にある日本マイクロソフト本社の31階で行われました。
この「Device2Cloudコンテスト」は、学生を対象とした組み込み技術のコンテストなのですが、流行の「クラウド」の技術も取り入れているのが特徴です。
参加チームはネットワークへの接続機能が搭載されたマイコンボードを使い、インターネット上のクラウドのサービスを活用するような作品を開発します。
協賛企業である日本マイクロソフトの松岡氏によるキーノートスピーチ。「日本が初めて」というウォークマンのような製品が減っているという現状を指摘し、エンジニアリングできる人材を育てる場として、コンテストの必要性を語っていました。
今回の大会には全16チームがエントリーして、そのうちの5チームが選抜され、当日のプレゼンテーションに参加しました。
▲発表作品の一部を紹介します。こちらは、東海大学のチームTによる「ぶたツイファミリ」。
ネットワークへの接続機能を搭載した貯金箱です。フォトセンサによって投入した金額がわかる仕組みになっています。
▲デモンストレーションでは、お金を投入すると、自動的にTwitterに書き込みを行っていました。募金の状態を「見える化」することが狙いのようです。
▲今回、優勝を果たしたチームがこちら。神奈川工科大学のTeam Tanaka laboというチームによる「リアルタイム授業支援システム」。
内容は授業中に行う小テストを電子化するという試みでした。
▲全体の構成です。マイコンボードのLCDにテストの問題が表示されて、生徒がそれに解答すると、ネットワークを介して集計されるという仕組みです。
さらに面白い試みとして、マイコンボードには学生証を読み取るためのICカードリーダーと、椅子の傾きを読みとるためのセンサが接続されていました。これで生徒がズルをしないで、きちんと出席しているかどうかを確認することができるそうです。
▲デモンストレーションでは、Webブラウザを使って、テストの解答結果と答え合わせを行っていました。csvファイルに最終出力もできるようです。
今回、作品が未完成のままダミーのデータで発表してしまうチームも見られたのですが、このチームの作品はバッチリと動いていたのが印象的でした。やはり完成度の高さが勝因につながったのではないでしょうか。
▲会場で展示されていたアットマークテクノの「Armadillo-440」というマイコンボード。今回の参加チームはすべてこの製品を使用していました。マイコンは32MBのフラッシュROMと128MBのRAMを搭載していて、ボード上にはUSBポートやmicroSDカードスロット、Ethernet、UARTなどが搭載されています。
▲会場にはセイコーエプソンの「センシング・プラットフォーム(s7u4e001a01)」も展示されていました。
こちらは同社のセンサ類を評価するキットとのことです。企業以外に学生への販売も行っているそうです。
http://www.epson.jp/device/micro_system/
マイコンボード上には、ジャイロセンサ、加速度センサ、地磁気センサ等が搭載されていて、Zigbeeのモジュールによって無線でデータをパソコンに転送するデモを行っていました。制御には、自社のセイコーエプソン製の16bitマイコンを使っているそうです。