2013年7月20日(土)、「第6回 科学技術におけるロボット教育シンポジウム」という教育関係者向けのシンポジウムが科学技術館(東京都千代田区)で行われました。
当日は基調講演の他に、ロボット教材の導入事例の発表や、ワークショップが行われました。
アイロボット社のロボット掃除機「ルンバ」の日本国内代理店であるセールス・オンデマンドの徳丸順一さんが講演を行いました。いくつか貴重な情報を聞くことができました。以下、お話されていた内容の箇条書きです。
・「ルンバ」という名前は日本で90%の認知率。有名。
・日本のお客さんはルンバに対して期待値が大きい。それに応える必要があった。
・日本のお客さんの声を取り入れて開発したモデルもある。
・「アイロボット」という社名の元ネタはアシモフさんの小説(われはロボット)から。1990年に起業。
・アイロボット社は起業した直後は苦労した。 社員はマーケットを知らない、製造ノウハウがない、売り方を知らない。資金がない。20年前、ビジネスとして評価されなかった。
・そのためユーザーの声を徹底的に聞いた。企業とのコラボをした。その結果「パックボット」を開発。911やボストン爆破事件でも活躍。
・パックボットはアフガニスタンなどの爆弾処理でも活躍。失敗して粉々になる場合も。壊れると星状旗に包まれて戻ってくることがある。部隊でニックネームが付いていることもある。
・アイロボット社は最初10年間はほとんど売り上げがない状態が続いた。軍からの資金で会社を維持していた。
・ルンバはペプシのTVCMで有名になった。恋人(男)のズボンをロボットが吸い込んでしまうという大胆なCM。今でもアイロボットの社員は好んでペプシを飲む。
・アイロボット社はSPARKという教育支援にも力を入れている。http://spark.irobot.com/
・ルンバはオープンソース。ハッキングして、台車として使っているケースもある。
・日本でもルンバの開発応援キットを発売中。http://science.irobot-jp.com/
・ルンバを日本で売るさい、最初に狙ったのは団塊世代。それから年齢層を下げて。今は30代~40代。
・見たこともないものを売るは難しい。外見で体重計と間違われる。
・ロボットのネガティブのイメージがあり、おもちゃと思われる。二代目から「ロボット掃除機」という名前を封印して、「自動掃除機」に変えた。
・吸引力神話の弊害。実際に必要なのは清掃力だと証明。
・メンタリティの問題が壁となった。「楽をしたらバチが当たる」。「嫁のやる仕事がなくなる」。
、、、などなど。代理店さんだけあって、営業サイドの話題が多かったです。
▲ワークショップでは、「発想と実現、評価」をテーマに取り組みました。お題は「富士山に見立てたバケツの上にミニフィグを送り届ける」というものでした。制限時間は25分しかなくて、かなり難題だったかと思います。
去年のワークショップでは「評価」の部分がシンプルだったのですが、今回はできるだけ多角的に作品の評価をしてみました。一番評価が高かったのは、ヘリウムの風船を使ったチームでした。
▲ワークショップの最後には、松原(私)と五十川さんでそれぞれ持ちネタを発表しました。
五十川さんはまだ発売してないEV3を使ったロボットを発表してました。インテリジェントブロックEV3は出力ポートが4つありますので、それを活かして、モーターを4個制御していました。
▲松原の発表内容は主に圧力センサーでした。作り方はこちらのサイトで紹介しています。
https://sites.google.com/site/yugenkaisyanico/nxt-force-sensor