9月18日、工業デザインを手掛けている「RDS」という会社さんによるプロジェクト3件の発表会がありました。
プロジェクトの1つは「WF01TR」というパラリンピックで使用する車いすの開発です。写真の左がRDS代表取締役社長の杉原行里さん。写真中央は車いす陸上アスリートの伊藤智也さん。伊藤さんは過去のパラリンピックで金メダル2個、銀メダル3個獲得した実績を持つ方です。2012年にすでに引退されていましたが、数年前に杉原さんと出会って、現役に復帰。2020年開催のパラリンピックを目指します。車いすの開発では、伊藤さんが感覚的に注文を伝え、それに開発スタッフはデータを測定することで対応しました。両社の意見は一致することのほうが少なかったとのこと。結果、最先端の技術を詰め込んだ車いすが完成したようです。現時点では「WF01TR」が高性能すぎるせいか、伊藤さんの感覚と車いすの動きが一致しないというのが興味深いところです。今後の練習で解消されるのかもしれません。
会場には「Honey L Days」というアーティストさんがゲストで登場。大音量で応援歌が披露されました。Honey L Daysの方々は杉原さんと古くからの知り合いだそうです。
2つ目のプロジェクトは「SS01」という車いすのシミュレーターです。こちらは千葉工業大学未来ロボット技術研究センター(fuRo)との共同開発です。シミュレータは15の自由度を持っていて、ロボットのように機能します。座席が可動することで、最適なシーティングポジション(座る位置)を求めることができます。このシミュレータは「WF01TR」の開発に活用されています。
3つ目のプロジェクトは「CYBER WHEEL X」という車いすとVRを組み合わせたスポーツ施設です。こちらはワントゥーテンとRDSとの共同開発です。VRでCGの景色を見ながら、手でホイールを回して操縦します。見たところレーシングゲームという感じですが、誰でも参加可能な「未来のスポーツ」として位置付けられています。ホイールに負荷がかかる部分にはfuRoの技術を使用しているとのことです。
株式会社RDS