2011年新春科学技術教育イベント第2段は、JAXAタウンミーティング。
福井県教育委員会とのコラボレーションで、パネルディスカッションやはやぶさ展示もあり。
2011年1月9日(日)
“日本の宇宙開発について語り合おう!”
「第56回JAXAタウンミーティング」 in 福井
宇宙へのとびらを開いてみよう!小惑星探査機はやぶさ in福井
はやぶさ関連の展示にはなんと約22,000人見学あったそう。福井県は神奈川県の1/11くらいの人口ですので、その比といったら。
福井県では福井出身の南部先生の業績を記念し「南部洋一郎記念ふくいサイエンス賞」を昨年から制定しています。昨年は小学生のころからうちのロボキャンプ(ロボット教室)やWROに参加していた寺尾くんが最優秀賞に輝きました。今年はこのはやぶさのイベントにあわせて授賞式もあったようで、今回は特に高校生にむけてイベントが組まれています。
私が参加したのは、パネルトークとJAXAタウインミーティング。ともにノフィクション作家の山根一眞さんがコーディネート。いくつか話の内容と感じたことを記録しておきます。
JAXA宇宙教育センター 中村日出夫センター長
・教員やNPO等、子供たちへの宇宙科学分野指導者向け教育センター。
(いつからかわからないが)過去20,000人に指導実績あるそうです。(これは国による宇宙科学分野の指導者教育機関。すばらしい。技術分野には国による指導者養成機関はあるのかしら?)
JAXA はやぶさプロジェクトマネージャ川口先生 とてもわかりやすくお話しいいただけた。
・はやぶさの目的:サンプルリターン
・はやぶさの大事な5つの技術:イオンエンジン飛行、ロボットである、重力小さい星の上での採取、カプセルを直接大気に突っ込ませて回収、スウィングバイを使う。(高校生向けのトークセッションでも川口先生のスライドには大きく「はやぶさはロボットです」とありました)
・「いとかわ」までの通信には往復約2,000secかかる。その状況で「いとかわ」はやぶさを着地させるのは1cm/secの制御精度が必要とのこと。
・教育で大事なこと:ものづくり、実物体験必要。理論のインプットだけでなく、実験や実証のアウトプットが必要。(これはつまり、技術教育が必要とおっしゃっているのではなかろうか)
・「世界初」を目指せ。世界初はすなわち「世界一」である。(アメリカNASAが「一番はアメリカである」との強い態度で臨むことへの対抗心、国民へのアピールもあると感じました。感銘。)
・(会場の女性エンジニア(社会人3年目と本人談)の科学と技術の関わりの質問に対して)「社会を切り開くのは科学よりも技術者だと思う」とご回答。
・教育観点で「科学技術への関心を高めてその先に続けてもらうには、大事なのは中学生時代」とのお話あり。(激しく同意)
JAXA技術参与 長谷川秀夫さん
宇宙におけるリスク管理
・宇宙に運ぶものは高品質特別な部品が多く、冗長性(2重化等)は使えない。(それが壊れたら、もう一方も壊れる可能性高い、なるほど)
・過去失敗した中では海外からの調達部品の原因もある。国内調達分は開発履歴から確認できるが、海外調達はそれができず現品の評価だけになり品質確保が難しい。(うーん、難しそうな品質評価・保証ネタ)
・開発するものはほぼ1点物で試作品を飛ばすようなものであり、ほぼ全てが新しいことばかりで、リスク把握は網羅的になる。
・クリティカル・リスクの上位にカタストロフィック・リスク(致命的)がある、人命に関わるところ。ここはなんとしても回避。(うーん、実際の現場はもうかなりの網羅的でたいへんなんだろうと想像)
会場は満員、男性女性とも熱心に聴講。JAXAタウンミーティングは会場の(国民の)声を聞くことが目的ということで、会場からの意見、質問を受け付けていました。若い女性たち(ともにエンジニアか?)がとても端的に素直な質問、意見を発言していたのはすばらしかった。しかしながら、一部の質問者にて自分の知識を長々話し時間をとりすぎる方がいたのには閉口しましたね。残念ながら時間都合あり最後まで聞けずに会場を出ました。またこうした機会に参加したいと強く思いました。
こちらはJAXAタウンミーティングが開催された福井県国際交流会館の隣にある、お泉水庭園。旧松平氏別邸の復元。
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