学校では生徒さんに教えるべき事を「学習指導要領」という形で文書化しているのですが、その学習指導要領が今年の4月から新しくなりました。
では、新しい指導要領には「ロボット」に関係する要素がどれくらい盛りこまれているのか?
ちょっと気になったので抜き出してみました(若干、こじつけな部分もあります)。レゴ・マインドストームなどのロボット教材がどんな授業で役立っているかが少し分かるかもしれません。
■小学校
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/new-cs/youryou/syo/index.htm
「〔第3学年〕理科>A 物質・エネルギー>(5)電気の通り道> “乾電池に豆電球などをつなぎ,電気を通すつなぎ方や電気を通す物を調べ,電気の回路についての考えをもつことができるようにする。 ”」
「〔第4学年〕理科>A 物質・エネルギー>(3)電気の働き> “乾電池や光電池に豆電球やモーターなどをつなぎ,乾電池や光電池の働きを調べ,電気の働きについての考えをもつことができるようにする。” 」
「〔第5学年〕理科>A 物質・エネルギー>(3)電流の働き> “電磁石の導線に電流を流し,電磁石の強さの変化を調べ,電流の働きについての考えをもつことができるようにする。” 」
「〔第6学年〕理科>A 物質・エネルギー>(4)電気の利用> “手回し発電機などを使い,電気の利用の仕方を調べ,電気の性質や働きについての考えをもつことができるようにする。” 」
(まとめ)
・「電気」の概念が初登場するのは小学3年生になってから、「電流」の概念が初登場するのは小学5年生になってからです。つまり、5年生になるまでは「電圧はわかるが電流はわからない」という状況もありえるようです。
・プログラム要素については特に触れられていません。さらに「ロボット」というフレーズは見当たりませんでした。
■中学校
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/new-cs/youryou/chu/gika.htm
「技術分野>D 情報に関する技術>
“(3) プログラムによる計測・制御について,次の事項を指導する。
- ア コンピュータを利用した計測・制御の基本的な仕組みを知ること。
- イ 情報処理の手順を考え,簡単なプログラムが作成できること。”
」
(まとめ)
・プログラムされる対象についてはハッキリ書かれてません。ここでも「ロボット」というフレーズは見当たりませんでした。
■高校
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/new-cs/youryou/kou/kou.pdf
「工業 >第6 情報技術基礎 >(5) コンピュータ制御の基礎“身近な事例を通してコンピュータ制御と組込み技術の概要を扱うこと。”」
「工業 >第8 生産システム技術 >(4) 計測・制御 >コンピュータ制御“コンピュータ制御の原理及び制御機器とのインタフェースを扱うこと。”」
「工業 >第15 電子機械 >(4) シーケンス制御の基礎 >プログラマブルコントローラ」
「工業 >第15 電子機械 >(5) コンピュータ制御の基礎>コンピュータとインタフェース」
「工業 >第15 電子機械 >(6) メカトロニクスの活用“簡単なメカトロニクス製品を例に,マイクロコンピュータの組込み技術,制御機構及びソフトウェア技術を扱うこと。また,簡単なメカトロニクスを活用した機械を設計させること。”」
「工業 >第16 電子機械応用 >(2) 産業用ロボット >ロボットの基礎」
「工業 >第26 電子情報技術 >(3) コンピュータ制御」
「工業>第28 ハードウェア技術 >(4) マイクロコンピュータの組込み技術>組込みシステムの構成」
(まとめ)
・小中学校にはなかった「ロボット」という言葉が初めて登場しました。
・主に工業の分野でロボットの要素が活用されているようです。
、、、ちなみに、レゴ社の「サイエンス&テクノロジー」のページに指導要領との関わりが書かれています。「サイエンス&テクノロジー」はロボットの一つ手前の位置付けになっています。
http://www.legoeducation.jp/st/products/index.html
一方、「WeDo」は「カリキュラム」という言葉が使われてて、指導要領にどう当てはまるのかはちょっと分かりにくいです。