2012年3月30日にIPA/SEC(独立行政法人情報処理推進機構 ソフトウェア・エンジニアリング・センター)から「非ウォーターフォール型開発に関する調査報告書」が公開された。
アジャイル開発の有効性、契約、マネジメント等に関するものである。国の機関がアジャイル開発についてこれだけの調査報告をだすようになったことに感嘆する。
アジャイル開発手法は日本では平鍋さんらが10年以上かけて取り組み、普及をはかってきた。2000年ころ、XPの概念の発見を平鍋さんが嬉しそうにメールしてきて、それを電車の中で受信し返信したのを憶えている。工学面だけでなく”人”に着目してみよう、というものだった。2003年ころに私が”開発の見える化”やXPについてセミナーで講演する原稿内容を添削してもらったこともあった。彼はJUDE(現在はastah*)というUMLモデリングツールソフトウェアを企画開発しながらアジャイルにずっと取り組んできた。2000年代半ばには、アジャイル開発手法適用にむけてよい契約ひな形がないことが普及への問題だったが、IPAがこうした調査報告で契約にまで踏み込んでくれたことは大きいだろう。
一貫して普及に努めている平鍋さんはエライ。実を言うと、今日、仕事場で会ったのだが、この件について話すのを失念していた。明日会えたら話そう。
また4月2日にはIPAよりビッグニュースが発表された。プログラム言語Ruby、国際規格として承認~日本発のプログラム言語として初のISO/IEC(*1)規格に~
Ruby開発者のまつもとさんとは2006年に松江オープンソースラボで講演した際にお会いしたのが初めてで、それから5年くらい経って軽量Rubyの講演で久しぶりにお会いした。うちの社員がRuby本を書いたり、知人のエンジニアらが中学生向けにRuby研修やったり、あれやこれやとその間もずっとRubyには注目してきた。現在はETロボコンへ軽量Rubyの適用を目指して進展中でもある。 先般のJIS適用後はいつISO承認されるかというところではあったが、現実のものとなってこれも感嘆である。
進化と普及を推進してきたまつもとさんとその仲間たちはエライ。
こうした「初めて」を始めて、貫いてきたエンジニアに敬意を表したい。
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