マインドストーム NXT からはモーターがサーボモーターになりました。公式サイトの紹介では「回転センサー内臓のインタラクティブ・サーボモーター」とありますが、要はこれまでのモーターと違って回転角度の制御ができるモーターになった、と思っていただければ問題ありません。マインドストーム用のパーツの中で、NXT 本体に次いで高機能になったのがこのサーボモーターです。
レゴブロックには実はかなりの種類のモーターがあります。そのうちのいくつかを今回のサーボモーターと並べてみました。
このように、これまではモーターというと四角い形をしたものが多かったのですが、今回はサイズが倍近くになっているのに加え、モーターとしての構造や形が大きく変化しました。このサイズと形状から、これまでみたいにちょっと動かしたい部分に気軽に組み込むことが難しくなるでしょう。一方で、これまでは「軸がどれだけ回っているか」「軸を○度回す」などの制御はモーター単体では不可能でしたが、今回からはサーボモーター単体で±1度の精度で角度制御できるようになりました。
これまでのマインドストームで角度制御したいときには、以下の写真のような角度センサーを別途取り付ける必要があったんです。
青いブロックが角度センサーです。実はコレ、あんまり精度がよくないし分解能も低いのですが、みんなタッチセンサーなどと上手く組み合わせてなんとか制御に使っていました。このように、これまでは角度制御する予定の可動部分にはロボットの設計段階でこの角度センサーを取り付けておく必要がありましたが、マインドストーム NXT からはあまり考えずにロボットを組むことができます。そういう意味では、制御に関してはハードウェアレベルでそれほど悩まなくてすみそうです。
角度センサーとモーターを合わせると大体サーボモーターと同じサイズですね。この二つをどうにか連結させて組み込む手間を考えたら、最初からパッケージになっているのはラクチンかも知れません。一方で、角度制御がいらない部分にもこの大きさのパーツを組み込む必要が出てきますし、この独特の形を配置するのには毎回悩まされそうです…(^^;)。そういう意味でも、従来のモーターが使える教育用セットは使い勝手がよいかも知れません。
さて、そのサーボモータの概観をちょっと見てみましょう。
見てわかるように、ポッチが一切なくなった代わりに何箇所かにペグを差し込む穴が用意されています。この穴を上手く使ってサーボモーターを固定しなくてはいけません。Technic 系のセットでよく遊んでいる人だったらあまり悩まないのかも知れませんが。また、サーボモーター自体をデザインの骨格に組み込むような設計が必要そうです。
サーボモーターの回転スピードや角度制御の精度などを確認する意味も込めて、簡単な装置を作ってみました。
サーボモーターの軸に長いシャフトをつけただけの色気もなにもない装置です。これを左回転で30度づつ12回動かし、その後右回転で90度づつ4回動かしてみました。モーターのパワーはちょうど半分にしてあります。以下の画像をクリックすると QuickTime ムービーが再生されます。
撮影の都合でムービーが横になってしまって申し訳ないですが、かなり精度よく動いているのがわかるでしょうか。注目していただきたいのは、毎回毎回指定角度をちょっと過ぎたあと過ぎた分戻って止まっているところです。最終的な停止角度をフィードバックして、制御誤差をなくすようになっているのです。賢いですねー。
見てのとおり簡単な動きなのでプログラムも超簡単なのですが、どんな感じになるか想像できますでしょうか? 次のエントリーではこのプログラムの解説をしたいと思います。
ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ
投稿情報: ああ | 2012年4 月12日 (木) 20:37