WRO国際大会から1週間。各選手、コーチたちも、普段の生活に戻ったことでしょう。入賞したチームは取材で忙しいかも?
国際大会の入賞結果はこちら。
WRO国際大会はいろんなことがあります。「子どもたちの創造性と問題解決力を育成する」ことを目的とした大会ですので、大会期間中は選手自身による解決力をあちこちで問われます。
競技会前日の試走会:
試走会場には練習用のコースがいくつか置かれています。電源も何箇所かあります。
各チームは、練習用コースを使ってロボット制御の調整を実施します。現地のコースはこの時初めて触ることになります。コースの素材は事前に発表されていますが、どれくらいすべるのか、タイヤやギアでのグリップは?といった実際はここで確認します。
コーチ、選手が議論中。
オレンジは日本代表チームのユニフォーム。ここから日の丸をつけての活動です。
パソコン置いて電源とってロボット調整し打ち合わせできる場所を確保します。今回は会場が広く余裕ありました。過去の大会では場所確保にも苦労する場合も結構ありました。
練習コースの使い方にきまりはありません。ここでは「自分のチームがやる」というアピールをしないといつまでたっても走行できません。「次はうちのチーム、君はその次ね」とか「そろそろ代わってくれよ」とアピールと協調で練習時間を確保していきます。左は小学生コース。
こちらは高校生コース。
言葉はあまり通じないんですが、そこは同じ競技参加者、ボディランゲージと片言で通じます。
高校生にもなると、試走段階で他チームのロボット、動き、戦略をにらみながら自チームの戦略、制御を調整していきます。この段階で競技は始まっています。
海外チームのプログラム。 ROBOLABでキレイにつくっています。
【オープンカテゴリー】はテーマにそってロボットによるプレゼンテーションを行います。日本は2008年自国開催から参加しました。2009年には高校生部門で初めて入賞。今年は小中高の全部門で入賞となり、レベルアップが感じられる結果でした。
左は奈良教育大学附属中チームの本番会場での準備中。午前中に準備、午後から審査員がまわってきてプレゼンです。
WRO国際大会は公用語が英語です。オープンカテゴリーのプレゼン、審査員QAも英語で行われます。
「日本は英語でのハンデがある」と言われる方もいらっしゃるのですが、WRO参加国で自国公用語が英語の国は少ないので、ちっともハンデではありません。日本の教育レベルを考えればアドバンスがあると考えたほうがよいでしょう。課題は「臆せず話す」だろうと思います。WRO国際大会を見ていると韓国、台湾等の子供たちは、まあ、とっても積極的に話ます。その辺をうろついていると、つかまえられてプレゼンを聞いて!と声かけてきます。私が国際委員だとわかると「これにサインして!」と本を差し出したり、もう引き留めるのにあれこれ。
今年の日本チームはそれぞれが特徴を出した内容で、”日本”をうまく表現して審査員へのアピールも工夫されていましたね。オープンカテゴリーではマレーシア、フィリピンが表彰上位にきました。これはもう物量がスゴイ。もう展示エリアはいっぱいいっぱいのものをつくってきます。圧倒的な物量で審査員にアピールします。これに対してBest Technical Awardを受賞した福岡県立香椎工業高校の「流鏑馬」は、これはもう日本のお家芸ともいえるシンプルにつくる、精巧につくるを見せた内容でした。審査員が理解してくれてこれも嬉しい。
【レギュラーカテゴリー】
WROはロボコンとして、他のロボコンにはあまり見られない大きな特徴があります。
1)当日朝または前日に一部競技内容の変更があります。「サプライズルール」といいます。
2)ロボットは当日朝、バラバラの部品の状態から組み上げます。
3)組立て、サプライズルールへの対応、ソフトウェア修正、試走、これを2~2.5時間で行います。その後、本番です。
4)上記の時間、本番競技中は選手だけで対応します。コーチは参加できませんし、情報のやりとりも禁止されます。
これらは、選手自身がつくったロボットで競技する、チームワークでがんばる、選手たちの現場での対応力(創造性、問題解決力)を問います。そして、本番にくるまでの準備力も問われています。
本番競技会場での試走中。ここでもアピールと協調が必要。
このようなハードな条件、環境で、選手たちは競技にチャレンジします。WRO国際大会、各国決勝大会では、完走できないチームもかなりありますが、こうしたハードな環境でのチャレンジを求められている結果でもあります。台湾の関係者に聞いたところ、台湾の決勝大会でのサプライズルールがかなり難しかったらしく、完走できたチームは少なかったとのことでした。各国とも厳しいチャレンジを要求しているようです。
各国のユニフォーム。
これはタイ。
インドネシア
UAE。
地元フィリピン。
ウクライナ
ドイツ。
ロシア
これは日本の応援団。応援団はレプリカユニフォームです。
この方たちは、富山から参加の「サンダーバード」(小中レギュラーカテゴリー)チームの応援団。JRのサンダーバード号の写真を張り付けてます。
※:サンダーバード (雷鳥)
雷鳥は立山に生息する国の特別記念物で富山県の県鳥。JRサンダーバード号は富山~大阪を結ぶ特急電車、琵琶湖の西を通る湖西線を走ります。湖西線はほとんどが高架で、特急電車は速度は日本で最速?。 サンダーバード号ですと、福井の次は京都という列車もあり、福井-京都は1時間20分、福井-大阪は1時間50分です。
選手・コーチ、応援団、WRO Japan実行委員等、関係者総勢約100名でマニラに乗り込んだWRO2010国際大会、みなさんのいろいろな体験がお土産です。
2011年開催国UAE・アブダビの展示ブース。
そろそろ、各国にて来年にむけてが始まることでしょう。
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