アフレルの本社にはお弁当持参の社員も多い。自分でつくってくる忙しい朝の社員もいれば、今日は何かな?とフタを開ける時の楽しみを持つ社員もいる。ランチ外食だと新しい店、新しいメニューをチョイスした時にも新鮮な楽しみはあるが、お弁当はなにかこう間違いない上での楽しみがそこにある。
全日空の機内誌「翼の王国」に連載されている「おべんとうの時間」がとてもよい。書籍にもなっている。
https://www.sotokoto.net/ec/products/detail.php?product_id=304
全国あちらこちらの学生や働く人のその日のお弁当を紹介、その人、周りの人、その地域の生活が思い浮かぶ連載である。
お弁当には味があり、思いがあり、愛がある。
愚息らの試験の時の大事な持ち物は母親がつくる弁当だったし、遠足も運動会も海水浴も花見も、いつもお弁当は大事な持ち物だ。
次男を産んで女房が病院にいる時、長男の保育園で遠足があった。ある日迎えに行ったら保母さんが「明日は小遠足ですからお弁当持ってきてくださいね」と。帰りに病院によって女房に聞いて、スーパーで買い物をして翌朝弁当をつくった。長男は全部食べて帰ってきた、おいしかったわけではないだろうが、空腹からとあまり見たことのナイ父親がつくった弁当を残してはいけないと思ったのではないだろうか。
そしてナリがでかくなったヤツらの高校生活はいつも母親の弁当だった。
高校生の弁当箱
古い話になるが、マンガ「巨人の星」で、星飛雄馬がジャイアンツの入団テストを受ける回を憶えている。
午前のテストを通過した後、弁当を食べるシーンがあり、そこで朝の出がけを飛雄馬が思い出す。父・一徹が風呂敷に包まれた弁当を差し出し「明子のつくった日本一うまいおにぎりだ」と飛雄馬に渡すのである。
会話はそれだけである。
飛雄馬は「うまい」とだけ言っておにぎりをほおばり、午後のフリーバッティングのテストへと向かう。
もうひとつこれも古い時代のネタですが、女房が中学生の頃の話しである。
女房は運動部で日曜日にはよく試合があって出かけたらしい。お弁当持参だ。顧問の先生は中学生の女房らに「弁当は自分でつくってきなさい、朝早くから出かけて、送ってもらうこともあるし、親の世話になりすぎないように」と教えたそうだ。「全部つくれなくていい、できるだけでいい、卵焼だけでもつくってきたらいい」とも言ったそうだ。
それで昼食時になると「お前、今日は何つくってきたの?」と生徒の弁当を覗きにきて「おお、こんなのつくったのスゴイねぇ」と全員を見てまわったそうである。
女房曰く「料理するようになったのは中学校のこの経験があったおかげ」と。
おかげで拙宅の愚息らもずっと弁当を食べることができた。
先生、あんたはエラかった。
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